絶対、と言えるバカ、言えないバカ
男は35を過ぎると仕事のスタイルが変えられなくなる。
以下は30過ぎた人間に限っての話である。
対照的な人間がいる。
一人は「絶対」が言える奴。
一人は「絶対」が言えない奴。
昨日「どちらが優秀と思うか?」と、とある経営者に聞かれた。
結論から言うとどちらもバカだ。
「絶対」と言える奴は傲慢で自信過剰。
「絶対」と言えない奴は自信不足で経験が足りない。
ただ、私は大岡越前ではないから、
『どちらも同じ』などとは言わない。
より悪いのは”絶対と言えないバカ”である。
「絶対」は使っていい場面と使ってはいけない場面がある。
自分はどこに専門分野があるかを理解して、
『この点に関しては私が1番信頼できる』と胸を張って言えることはプロフェッショナルとして当然求められる能力である。
だが、それを周辺環境にまで伸ばしてはいけない。
どの分野でも絶対を言い出したら、そいつは成長しないばかりか、
どこかで必ず大きなミスを犯す。
そして大概そういう奴は素直に反省できない性根になっていることが多い。
ただ、なぜ”絶対と言えない奴の方がバカ”かというと、
”絶対と言えるバカ”はまだ直しがきくが、
”絶対と言えないバカ”は直しがきかないことが多いのだ。
30過ぎて絶対を言えない遠慮小僧は、性根にある自信が弱過ぎるのだ。
”絶対と言えるバカ”はただの癌だが、
”絶対と言えないバカ”は末期癌だと言える。
手術のしようがない。
だから私はその経営者にこの話をし、自信過剰な奴の方を推した。
「でもいずれ大きな失敗をするんですよね?」
と聞くので
「それを直すのはお前の役目だ」
と言っておいた。
自信過剰なバカは一番手に負えない。
人に諭される前に自分で自分を制止する、
そういう分別が欲しいものである。